FBI製のインターネット「盗聴」専用ソフトとして名高い、「カーニボー」だが、
ここ2年間、FBIはネットワーク傍受にあたってこれを使用しておらず、民間
によって開発された別の製品を利用しているとの事実が明らかに。
FBI retires Carnivore
http://www.theregister.co.uk/2005/01/15/fbi_retires_carnivore/
この事実は、ネットワーク問題のNGO、EPICが情報公開法に基づいて入手
した文書に基づいている。
こちら。
http://www.epic.org/privacy/carnivore/2002_report.pdf
http://www.epic.org/privacy/carnivore/2003_report.pdf
ネットワーク監視の代名詞のようであったカーニボー、最近ではDCS1000
などという名称に変更していたが、市販製品の方が優れものがあるというこ
となのであろうか。 基本的に、パケット・スニッファーであるのだから、独自
開発しないでも、市販製品のカスタマイズでもOK、ということだろう。我が国
でも、いわゆる「仮メールボックス」の名称で警察庁による入札がおこなわれ
民間の商品が採用されているようである。
参議院法務委員会での政府答弁によれば、次のとおり。
_________________________
- 参 - 法務委員会 - 3号 平成14年03月20日
○福島瑞穂君 ・・(中略)・・ 納入業者はどこでしょうか。
○政府参考人(吉村博人君) 一般競争入札の結果、三菱
スペース・ソフトウエア株式会社が納入業者となったと承知
をしております。
_________________________
こちらである。
三菱スペース・ソフトウエア株式会社
http://www.mss.co.jp/
PS
パケット・スニッファーによるインターネット盗聴問題を我が国で
最初に指摘したのは拙稿ではないかと思うので、いちおう、サイ
テーションを明らかにしておく。
ネットワーク盗聴と暗号問題
法学セミナー518号p127(1998年10月)
その後、カーニボーについても詳しい記事を書いた。
インターネット盗聴ソフト「カーニボー」の正体
法学セミナー556号p47(2001年4月)
カーニボーの命運も尽きたということなら、感慨深いものがある。。。