すべての刑事司法関係者、刑事政策にかかわっている人々、
そして刑罰に関心を寄せる人々に、是非とも、読んでいただきたいと
心から願う。
日本で唯一、世界でも唯一と言われる、刑務所のなかにある中学校。
松本少年刑務所にある松本市立旭町中学桐分校である。
昨年、ドラマ化(↓)され大変話題を呼んだ。
http://www.tbs.co.jp/hei-no-naka/
今年に入っても、先月、TBS報道特集でドキュメンタリー「実録・塀の中の
中学校」(↓)が放映されたばかりだ。
http://www.tbs.co.jp/houtoku/onair/20110618_2_1.html
本書は、この桐分校で35年にわたって教壇に立ち、生徒を送り
出してきた角谷敏夫先生の書かれた本だ。
「教育はひとを変える」
という当たり前のフレーズがある。
だが、それは理想であると片付けていないだろうか。
本書は、教育のもつ本当の意味を考えさせる、圧倒的な実存的
メッセージ。
これほどまで罪をおかした人たちに真摯に寄り添い続けた角谷先生
をはじめとする桐分校関係者に頭がさがると共に、それを支えた
松本市民の方々に敬服の念を抱かざるをえない。
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ひとつ学べばひとつ世界が広くなる。
ふたつ学べばふたつ世界が広くなる。
こう考えていくと、学ぶことは人間として
一生の仕事だと思えてくる。
人間は生涯、勉強が必要です。
桐分校生 卒業前の文章
『塀の中の中学校』より
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角谷敏夫著
「塀の中の中学校」
しなのき書房
2010年8月26日
ISBN-10: 4903002276
ISBN-13: 978-4903002279
必読、である。