性犯罪前歴者の居住地、警察が把握できる制度新設へ
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050106i113.htm
性犯罪者の出所情報把握へ 再犯防止で警察庁が方針
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2005010601002745
当局における出所情報や前歴者情報の収集という制度と、
これを住民に公開するという制度は全く次元を異にする。
後者はいわゆる米国の「ミーガン法」タイプの立法である。
(同法については、このblogでも結構紹介しているので、
検索してみていただきたい。) さすがに、こちらの方には
慎重な姿勢を見せているようだが。
住民が前歴者のプライバシーを知る権利が、前歴者の
プライバシーに優越するということを制度的に実現する
のは、我が国の場合は非常に困難であるはず。
仮にそうした制度を必要とする社会であるとするなら、
「ミーガン法」のような制度を設けることによってどれほど
失うものがあるかを、立法者は示さなければならない。
もし「性犯罪前歴者」情報を公開するなら、次々と同様の
情報提供が求められるようになっていくだろう。
「触法精神障害者情報」とか、「薬物中毒前歴者情報」とか、、、
そのような「情報社会」を構築するという選択肢と言えよう。
帰宅しようと思っていたら、某新聞にコメントを求められた
のでそんなことを(ローの講義3コマやった後のぐらぐら
した脳味噌で)述べてみた。東京地方の方は明日、ご覧
になるかもしれない。
PS
記事がウェブにも掲載された。
『犯罪抑止』か『更生妨げ』か 性犯罪者住所把握
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050107/mng_____sya_____008.shtml