我が国の刑事手続では、伝聞例外がゆるやかに解釈適用されて
いることは法曹や学生には周知だが、直接主義の国では大変厳
しい。
そんな違いを実感させるニュースがオーストラリアから。
Rape retrials 'could invade civil liberties'
http://www.smh.com.au/news/National/Rape-retrials-could-invade-civil-liberties/2005/02/04/1107476783171.html?oneclick=true
レイプ事件で有罪になった二人の被告人だが、陪審員が公判中
自ら「捜査」に乗り出してしまったため、上訴審で破棄され、差し戻
されたところ、被害者がトラウマのために再公判で証言できない
可能性が強く、その代わりに、最初の公判供述調書を証拠として
使いたいという検察側の意向につき争われている。
ニューサウス・ウェールズ州政府は、性犯罪被害者の場合だけ、
そのような例外を認める法改正を至急にしたいという。
我が国の場合であれば、被告人以外の裁判官面前調書に当たり
321条1項1号で「精神若しくは身体の故障」を理由に認められること
になるだろう。