我が国の裁判所ウェブから提供されている判決情報は、
基本的にHTML。
HTML文書がデザイン性に欠けることは言うまでもない。
更に、HTML文書の欠点は、ページネーション(ページ
機能)がないことである。 これは判決文としては致命的
とも言えるポイントであろう。 この点を回避するには、
HTML中にページ番号を埋め込むか、判決文どおりの
ページ表示を再現するか、の二通りしかない。
後者の代表例として、判決情報をPDFで提供するという
やり方である。
*この問題については、拙編著『インターネット法情報
ガイド』(日本評論社、2004)の第一部に詳しく書いて
おいたのでご参照いただきたい。
実は、日本でもそれをやっている裁判所があるのだ。
函館地裁である。こちらを参照いただきたい。
H17. 4. 5 函館地方裁判所 平成16年(わ)第64号,
第83号,第116号 被告人Aに対する業務上過失致死傷等,
被告人Bに対する道路運送車両法違反等各被告事件
事件情報
判決PDFは、
こちら。
関係人は匿名処理済みであり、地名などまで匿名化されてい
る。見事というほかない。 ページ数は言うまでもなく。
函館地裁は以前にもPDF判決を提供していた。こうした取り組み
が全国的に均一におこなわれれば、上訴裁判所が「原判決何頁
何行目」などと指示している箇所の発見も容易になるだろう。
現在の判例データベースでは、この指示箇所の発見すら容易で
なく(商業データベースであっても)、利用者サイドからはきわめて
不便である。
データベース各社は言うに及ばず、裁判所におかれても検討され
なければ、正確な「法情報へのアクセス」は望むべくもない。
ちなみに、合衆国最高裁判決はPDFで即日提供されている。
こちらをご覧いただきたい。
たとえば、一昨日出された、P2Pソフトに関する合衆国最高裁
判決、いわゆるグロクスター事件判決は
これ。