落合弁護士のブログ経由。
熊谷の韓国人女性殺人控訴審
裁判長が証拠開示勧告 東京高裁
http://www.saitama-np.co.jp/news01/30/26x.html
証拠開示勧告自体が珍しいが、本件で目を引くのは、開示対象に
「殺害現場で採取した指紋の鑑定結果」が含まれている点である。
被告人が、仮に「真犯人」ではなく、現場に真犯人の指紋が残され
ていたとしよう。
当然、検察側は関係のない証拠としてこれらの指紋鑑定結果は
証拠として出すことはないので開示されない限りアクセスすること
は出来ない。
その指紋から真犯人にたどり着けるかもしれないのだが、問題は
採取された指紋に該当者を見つけられない、「対照不一致」と呼ば
れる指紋の存在である。 驚くべきことだが、現在の警察の指紋
取り扱い規則の下では、「対照不一致指紋」は破棄されてしまう。
無関係の大量の第三者指紋を保管する必要性が乏しいという
実務的理由からであろうが、このことは、たとえば無実を訴える
人が再審請求をおこなう頃には、真犯人の指紋が残っていた
にもかかわらず、採取データを利用できないという事態を
招いてしまう。 再考すべき問題だと思う。